最近急増したネパール人労働者

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北関東にある食品工場の工場長の話。

とにかく人の採用には難儀しているとのこと。日本人を採用しても定着率が悪い。若者はみんな東京に行ってしまう。北関東の地方都市に残っている日本人は、たとえば親の介護や農業との兼業等、何らかの事情がある場合が多い。

その工場も、当然のことながら外国人労働者を大量に雇用している。その雇用の大半は、派遣会社を経由しての派遣社員。しかし最近、まともに日本語や英語が話せる外国人が雇えなくなってきているとのこと。少しでも日本語や英語が話せる外国人は、もう少し賃金の高いサービス業に持っていかれているとのことだ。

もちろんブラジル人やペルー人等の日系三世、いわゆる定住者もいるが、ベトナムやミャンマー等、その国籍は多岐にわたるという。そして昨今、特に多いのがネパール人だそうだ。

この工場長の話が興味深い。生産ラインごとに片言の日本語や英語、ポルトガル語(この日本人の工場長はブラジル赴任経験があり片言のポルトガル語を操ることができる)ができるリーダーを見極め、指示はそのリーダーに伝える。そのリーダー諸氏は、ある生産ラインではスペイン語で、あるラインではネパール語で、あるラインではベトナム語でスタッフを仕切っている。工場内に様々な言語が飛び交うのだという。

さて一体なぜネパール人労働者が増えているのだろうか。その工場長が派遣会社の方から聞いた話や、私がネット等で調べた話をまとめてみよう。

まずネパールという国の現状に目を向ける必要がある。この国の経済は困窮に喘いでいる。人口の80%以上が、一日2ドル以下での生活を強いられている。また政治的には数十年にわたり混乱が続いており、国民の大半が海外に出稼ぎに行くことにより成り立っている国ともいえる。

では一体、このネパール人はどのような手段で日本に来て働くことになっているのだろうか。まずその大半は、「留学生」として来日する。その目的はどうやら必ずしも「学業」ではなさそうだ。あくまでも就労が目的と言えるらしい。

ネパール人にとって外国での就労機会を得ようと考えたとき、一番簡単なのが、隣国インドである。そこに就労ビザ等の規制はない。インドは今、急速な発展を遂げつつあり、建築現場等の雇用機会は多い。しかしながら、その事故発生率が高く、ネパール人には意外と人気薄だ。

就業先(表面は留学先か)として一番人気があるのがイギリス等の英語圏だ。しかし就労資格を得ながらの留学が意外と難しい。日本なら留学ビザ(とは言っても大学等ではなく専門学校や日本語学校が中心)があれば一定時間の就労が許される。

また2011年の東日本大震災の際、それまで日本語学校等の学生の大半を占めていた中国人や韓国人が一気に帰国した。その穴を埋めたのがベトナム人やネパール人だ。

ネパール人が増えたのにはもう一つ理由があるそうだ。それは上述した本国の政治的混乱だ。この政治的混乱があるため特に日本では難民認定が受けやすい。であるため留学生で入国し難民認定され、フルタイムで就業できるようになる方が増えている。そうなれば家族呼び寄せも可能となり、その家族にも就業資格が与えられる。

家族と言えば外国人は夫婦仲がいいらしい。その工場長の下にも夫婦で働く人が多くいるという。彼らは夫婦とも同じラインで働き、シフトもまったく同じにして欲しいと訴えてくるらしい。私がその立場なら、なるべく配偶者とは違うラインで、異なったシフト時間にしてくれと願い出そうである。

また彼ら外国人労働者の方たちは、少しでも多く残業をしたがる傾向にあるようだ。残業をすることにより、金銭的なゆとりができるので手を挙げる人が多いとのこと。とにかく真面目な人が多いと言っている。

話はネパールに戻るが、ネパールから日本に留学してくるためには、莫大な紹介手数料を準備しなければならない。それでも日本は人気の渡航先の上位国である。

さてさて、その工場長、前職は超大手企業勤務。そして現在は中堅中小企業に華麗なる転職。

「中小企業は、大手が12人でやる仕事を5人とか6人でこなしている。人手が足りなくなれば自分もラインに入ってねじり鉢巻きだ。いやあ、本当に中小企業経営者って大変だね。いざとなったら自らの全財産を投げうってでも会社に貢献しなければならないのだから。お前の気持ち、よくわかるよ」

そう、中小企業経営者の私にねぎらいの言葉をかけてくれた。

そんな彼も、転職以来、一度も有給など取っていない。また昨秋は3ヶ月程度、ほとんど土日も休みなく働いていたという。家族を残しての単身赴任。今の楽しみは1000円で夕食付の温泉ランドで、週に1回、御馳走を食べることだという。

[参考]

日本で急増するネパール人。その現状と背景とは

沖縄タイムス記事

【まとめ】

  • 地方の製造業は慢性的な人手不足。
  • その人手不足解消の役割を外国人労働者が担っている。
  • 最近は特にネパール人労働者が急増している。
  • ネパール人労働者急増の背景には、難民認定の受けやすさがある。
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