イギリスにおいて外国人移民労働者が与えた(与える)影響について考える

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外国人労働者受入において一歩先を行っている国のひとつにイギリスがあります。でも多くのイギリス人は、この移民受け入れに必ずしも賛成ではありません。

2010年に、当時のキャメロン首相が、イギリスへの年間外国人移民数を年10万人に減らすと宣言しました。しかしながら2015年4月~2016年3月にかけての流入移民は33万人になっています。

イギリスの3千万人強の労働人口のうち約10%以上が外国人労働者です。

一体なぜこんなに移民が多いのか。先の国民投票で脱退が決議されましたが、イギリスは現在はまだEU加盟国です。EU加盟国間では、原則として労働者の移動や移民の制限ができません。イギリスの外国人移民者の数は約330万人です。ざっくりとそのうちの3分の1はEUに加盟している旧東欧諸国のチェコやルーマニア、そしてエストニア、ラトビア、リトアニアで称されるバルト3国等からの移民者です。

ゆりかごから墓場までで有名なイギリス。イギリスでは、こうした移民に対しても手厚い社会保障があります。当然ながら誰もが、別の国に住むならば、別の国で働くならば、働きやすく、住みやすい国を選択します。

世界中の誰にとっても、自国の言葉でない言語の国で暮らせと命じられたら、英語が最も馴染みやすい言語の一つであることは疑う余地もありません。たとえいつか帰国したとしても、別の国に移ったとしても、英語は武器になります。ですから旧東欧諸国の中で、イギリスが一番人気の移民対象国です。約190万人のヨーロッパ諸国からイギリスへの移民労働者のうち半数以上がこの旧東欧諸国からの移民です。

さて、こうした旧東欧諸国の移民流入がイギリスにもたらした、またはもたらす影響は何でしょう。

まずは第一に、労働市場における大きな変化です。特に単純労働のマーケットは、移民の方がより安く引き受けるため、労働者の賃金は下がります。

第二には、住宅の不足です。イギリスの人口は現在6500万人と言われています。そのイギリスでは、移民流入だけではなく、新たに生まれる子供達も含め、毎年50万人近く人口が増えています。イギリスの人口密度はドイツの2倍、フランスの4倍程度。この人口密度の高い国に大量の移民が入ってくれば、住宅不足に陥るのは当たり前、現在の330万人と言われている移民のうち、百万人以上が首都ロンドンに居住しています。当然のことながら、住宅不足、そして家賃や住宅価格が跳ね上がります。

第三には、学校や鉄道、公共施設等のインフラの整備コストが跳ね上がるという点です。

第四は、上にも記載しましたが、社会保障コストが上がりそのために税金等の負担が上がるという点です。

第五は治安の悪化です。

しかしながら、以下リンク先のフィナンシャルタイムスの記事では、必ずしも悪影響ばかりではないと説いています。

その一つが、移民の中心が若者になりつつあり、こうした若者の方がイギリスの若者達より往々にして教育レベルが高く、より高度な仕事につきつつあること。その結果、購買力が上がり、経済全体を押し上げる力になっていることです。

また公共施設等のインフラコストや社会保障費等の負担も、もし移民が入ってこなかったら、50年後はもっと悲惨な状況になっていただろうと唱えております。

こうした点は、先日のEU脱退における国民投票の際、物議を醸しだした争点なのでコメントは控えますが、外国人労働者が入ってくることにおいて、短絡的に「NO」と決めつけず、ひとつの世界的な流れの中における必然とする捉え方をする時代が訪れつつあるのかもしれません。

ただし、5つ目の治安の悪化という点だけは避けて通れない大きな問題として残りそうな気がしますが…。

【まとめ】

  • イギリスにおける外国人移民労働者の増加は、必ずしもマイナス面ばかりではなくプラスの面もある。
  • 外国人労働者を受け入れた場合、治安の悪化を避けることはできないだろう。

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