こんなに違う!日本と外国の有給休暇や病欠。これをどう考える?

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日本の有給は、フルタイムの社員で、入社半年目に10日付与されます。その翌年は1日可算、翌々年以降は2日と加算され、6年半で20日となりそれ以上は増えません。その取得率は50%とOECD諸国の中では、一見最悪に見えます。

たとえば病欠。日本以外の先進国、特にヨーロッパ諸国では、病欠(Sick Leave)は国によって仕組みは異なりますが、電話一本で休みが取れる休暇です。もちろん給料は払われますが、普通の有給休暇とは別枠で取得できるお休みです。

フランス、アイルランドやイタリアでは、その病欠中の給与は社会保険がカバーしてくれます。その他の国は、満額雇用主負担か、一部雇用主負担が原則です。私も経営者のはしくれ、ついついヨーロッパでの会社経営は大変だろうなって思ってしまいます。

また年間での有給休暇の数を比較すると、フランス、スペイン等は年間30日の有給休暇の付与が法律で義務付けられています。イギリスは年28日、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド(2年目以降は30日)等の北欧諸国やオーストリアは年間25日、オーストラリア他その他のOECD諸国の大半は4週間かまたは20日の年間有給休暇付与が、雇用期間の長短にかかわらず義務付けられています。

一方、病欠も有給も法律上の縛りがまったくない国があります。それはアメリカ合衆国。つまりアメリカでは、有給ゼロ、病欠(給料保障付)ゼロでも違法ではありません。もちろんアメリカのほとんどの企業は、独自に平均で年間15日位の有給を付与しています。

有給休暇とか病欠(Sick Leave)とかの福利厚生のいい国ばっかり眺めてしまいましたね。

ここで鉾先をアジアの有給休暇数に向けてみましょう。アジアの国々の有給休暇は、フィリピンが入社1年経過で5日、タイは同じく入社1年経過で6日、シンガポールは入社3ヶ月で7日、韓国15日~18日、中国は二つの会社の勤務期間を合算して1年以上勤務した人に5日、10年目以降10日、20年目以降15日、ベトナムでは1年以上勤務した場合に12日、以後5年毎に1日追加で15年目以降は15日、インドネシアは半年勤務で12日です。

こう見ると日本も案外捨てたものではありません。でも実は別の側面があります。

ことをSick Leaveに向けてみましょう。

フィリピンではSick Leaveの法的規制はありません。しかし10日程度のSick Leaveを出しているのが一般的なようです。タイでは最大年30日のSick Leave(有給)が認められています。医師の診断書なしでも、「気分が悪い」だけで2日連続までは休めます。シンガポールでは、医師の診断書は必要ですが、年14日までのSick Leave(有給)が認められています。ベトナムでは勤続15年未満は30日、15年以上30年まで40日、30年を超えた場合は60日の有給のSick Leaveが与えられます。インドネシアでは医師の診断書さえあれば、最初の4ヶ月は100%の給与保証、次の4ヶ月は75%、次の4ヶ月は50%、その翌月以降は25%の給与保証で休めます。中国では、様々な規定がありますが、最長24ヶ月までSick Leaveが認められています。そしてその期間内は、その地区の最低賃金の80%を雇用主が負担することになっています。

ただ上記のアジアのSick Leaveのうちインドネシアや中国のそれは、日本の傷病手当金に近いものですね。一番緩そうなのがタイみたいです。

こうして考えると、年間の休みというのを総合的に見る必要がありますね。実は日本は年間16日と世界で一番祝祭日が多い国です。またほとんどの企業は、年末の29日、30日、31日は休日、年始の2日、3日は休日にしているでしょうから、更に5日増えます。お盆期間中も有給の強制消化的に、休日ではなく休暇として休みにしている会社は少ないでしょうから、それも3日程度休みとすると、国民の祝日+アルファで24日の、土日以外の休みがあることになります。もっとも最近はサービス業の比率が増えて、土日祝祭日が休みでない方が増えていますので、この恩恵を得ている方の比率は減ってきていますが。

以下の表をご覧ください。

年間有給

休暇数

Sick Leave 国民の

祝日数

Sick Leave 5日として全部休みをとったとして、有給をすべて消化したら土日以外に年間何日休みがあるの?
日本 6ヶ月で10日、以後段階的に20日まで増加。 簡単に取得できる(気分がすぐれない等医師の診断書なしの)Sick Leaveはなし。風邪等での休みは原則として有給で消化。

傷病手当金制度あり。

16日+年末年始やお盆等、祝日と同等な休み8日程度。 44日
アメリカ 法的拘束はないが、平均15日程度が実態。 法的拘束はないが、平均年10日前後のSick Leaveを付与。 8日+地域ごとに異なる休み(最大4日)。 32日
イギリス 28日 連続7日までは医師の診断書が無くても休める。Sick Leaveは何度取ってもよい。社会保障で法定傷病手当金が支給される。 9日。 42日
フランス 30日 日数は特に定められていない。2日以内に医師の診断書を社会保険当局に送付義務。休業補償は社会保険当局が支払う。健康保険助成金庫から病欠4日目から病欠手当が支給される。 11日+この他でクリスマスイブやローカルホリデー等で4日程度。 50日
スペイン 30日 3日以上になる場合は医師の診断書があれば、雇用主25%負担、社会保障75%負担で最長9ヶ月まで給与保証。 10日+3~4日程度のローカルホリデー。 49日
ドイツ 20日 病気を理由にした欠勤が3日以上になる場合には医師の診断書が必要。6週間までは雇用主負担だが、それ以降は社会保険がカバー。 8日+4日程度のローカルホリデー。 37日
スウェーデン 25日 病欠第1日目の給与は100%カットされ、2~14日目までは期間中の給与相当額の8割を雇用主が負担する。15日目以降は社会保険が8割負担。 14日。 44日
フィンランド 1年目25日

2年目以降30日

9日までは雇用主の許可を受け病欠可。その間は雇用主が賃金保障。それ以降は社会保障で負担。 9日。 44日
韓国 勤続1年以上で、年間最低15日の年次有給休暇を付与。日数は勤続年数2年当たり1日を加算して最大25日まで付与される。 病欠制度はなし。

原則として有給使用が先行。有給使用後、公務員は60日のSick Leave制度あり。民間には奨励程度。

16日。 41日
台湾 1年目、有給休暇なし。1年以上3年未満で年に7日、3年以上5年未満で年に10日、5年以上10年未満で年に14日、10年以上で勤続1年に1日を足し、最大で年に30日。 最初の30日までは半額雇用主負担。それ以降は給与保証なし。また入院を伴わない病欠は年間で30日を超えてはならない。入院を伴う病欠でも2年間のうち通算1年を超えてはならない。 13日+3日程度の民間だけの法定休日。 51日
中国 転職しても前職、現職、ふたつの会社の勤務期間を合算し、1年以上勤務した人に5日、10年目以降10日、20年目以降15日。 最長24ヶ月までSick Leaveが認められています。そしてその期間内は、その地区の最低賃金の80%を雇用主が負担。 13日。 33日
フィリピン 入社1年以上で年5日。未使用の場合、雇用主に買取り義務。 法的な規定はない。年10日程度が一般的か。  16日。  26日
シンガポール 月収2000シンガポールドル以下の従業員に対して法規定。入社3ヶ月経過で年7日。その後、1年経過ごとに1日増える。最高年14日。 月収2000シンガポールドル以下の従業員に対して法規定。入社3ヶ月以上4ヶ月未満で年5日。入社4ヶ月以上5ヶ月未満で年8日。入院の場合は8日を含み30日まで。入社5ヶ月以上6ヶ月未満で年11日。入院の場合は11日を含み45日まで。入社6ヶ月経過で年14日。入院の場合は14日を含み60日まで。すべて医師の診断書要。  11日。  30日
タイ 入社1年経過で6日。 タイでは最大年30日のSick Leave(有給)が認められています。医師の診断書なしでも、「気分が悪い」だけで2日連続までは休める。  15日+特別休日2日。  28日
インドネシア 半年勤務で12日。 医師の診断書さえあれば、最初の4ヶ月は100%の給与保証、次の4ヶ月は75%、次の4ヶ月は50%、その翌月以降は25%の給与保証で休める。  15日。  32日
ベトナム 1年以上勤務した場合に12日、以後5年毎に1日追加で15年目以降は15日。 ベトナムでは勤続15年未満は30日、15年以上30年まで40日、30年を超えた場合は60日の有給のSick Leaveが与えられる。  12日。  32日

世界から外国人の働き手を受け入れるということは、こうした常識をもっている人を受け入れるということです。

参考サイト

http://cepr.net/documents/no-vacation-update-2014-04.pdf

http://cepr.net/documents/publications/paid-sick-days-2009-05.pdf

https://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000115/0908R3.pdf

https://www.timeanddate.com/

【まとめ】

  • 日本の休日数は必ずしも少なくない。
  • ヨーロッパを中心に病欠(Sick Leave)の制度があります。

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