外国人労働者の住民税の支払いはどうする?

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皆さん、住民税って前年の所得に対して課税されるということ、ご存知ですよね。
もちろん外国人労働者の方にも、その年の1月1日時点で居住者として日本に滞在していた場合、前年の所得に対して課税されます。
皆様の会社が外国人を雇用する以上、住民税を特別徴収(給与から天引きして各市町村に納付)する義務を負います。毎年5月頃、皆様の会社に従業員それぞれの方が居住する市町村から「特別徴収税額決定通知書」が送付されてきます。それを元に、皆様の会社の庶務の方や給与計算を引き受けられている社労士の方等が、その年の6月の給与から翌年5月まで、前年の所得に対しての住民税分を、支払い給与額から特別徴収を行って源泉しています。

その場合、たとえばその外国人労働者(Cとします)が、以下のようにA社(前社)からB社(貴社と想定)に転職をしてきたとします。

【ケース1】
2013年10月A社(前社)入社
A社(前社)での雇用期間:2013年10月~2015年1月
2015年2月~2015年3月:就職活動
2015年4月、B社(貴社)入社
B社(貴社)での雇用期間:2015年4月~2016年3月

この場合まず、2013年分の外国人労働者(C)の住民税の特別徴収税額決定通知書が、その外国人労働者(C)が2014年1月1日時点で居住していた市町村から、2014年5月頃にA社(前社)宛に送付されています。そしてその2013年分の住民税の該当特別徴収期間は、2014年6月~2015年5月の12ヶ月となります。その外国人労働者(C)が2015年3月にA社(前社)を退職する際には、その退職時期が2014年4月30日以前の場合、A社(前社)はその市町村より、「2013年分の住民税の未払い分は、必ず最後の給与で徴収してください」と指導が入ります。

その最後の給与で支払いが充当できない場合の未払い住民税は、普通徴収(本人が責任をもって納付する)することになっています。しかしこれは、文化も習慣も異なる外国人の方に、すんなりと理解をしてもらうのは大変難しい複雑な仕組みです。外国人の方が、自発的に、未払いの住民税を市役所に行って納付する姿というものがイメージできません。

とすると、この外国人労働者(C)は、住民税●●円分未払い状態のまま、B社(貴社)に入社することになります。また2015年1月1日時点ではA社に在籍していたため、2015年4月にB社(貴社)に入社した際に、B社(貴社)が新しい市町村に、2014年分の住民税(2015年6月~2016年5月徴収)特別徴収の届出(前職場の署名捺印がある給与所得者異動届出書をもらうか、住民税の納付書の提出を求め、それを基に届出)する必要があります。また外国人労働者を雇用した旨も市町村に届出する必要があります。その際、過去の住民税において未払分があると特別徴収手続きができない場合があります。実際に当社の庶務手続きの現場では、市町村から、その未納分を採用した社員に払ってもらってから特別徴収の手続きしてくださいと言われたことがあります。

【ケース2】
2013年10月A社(前社)入社
A社(前社)での雇用期間:2013年10月~2015年8月
2015年9月~2015年10月:就職活動
2015年11月、B社(貴社)入社
B社(貴社)での雇用期間:2015年11月~2016年8月

この場合も、2013年分の外国人労働者(C)の住民税の特別徴収税額決定通知書は、外国人労働者(C)が2014年1月1日時点で居住していた市町村から、2014年5月頃にA社宛に送付されてきます。そしてその2013年分の住民税の特別徴収期間は、2014年6月~2015年5月の12ヶ月となり、その期間、毎月の給与から指定された額が差し引かれます。

この【ケース2】で外国人労働者(C)が2015年8月にA社を退職する際には、既に2013年分の住民税の特別徴収は終了している筈です。そしてこの場合は、外国人労働者(C)はA社を退職したのが2015年6月1日以降なので、A社はその市町村より、「2014年分の住民税の未払い分は、本人の申し出があった場合は、最後の給与と相殺して特別徴収してください」と指導が入ります。この時点では外国人労働者(C)には、2014年分の未払い住民税が9ヶ月分残っています。

この未払い住民税を特別徴収に変更するためには、給与所得者異動届出書にA社の代表印を押してもらう、または住民税の納付書をもらう等の手段で、B社が市町村に届出する必要があります。これが日本人なら簡単に理解させることができますが、こと外国人となると、やれ「税金の支払い方は個人の自由だ」的な話となったりして感情的にもめたりします。

こういう面倒な話になりこうなるとついつい失念し、『今回はその外国人労働者(C)を信じて普通徴収でいいや』となりがちです。しかしそうなると、喜んで税金を払う人などそうたくさんはいないのでしょうから、外国人労働者(C)は住民税を払わずに失踪することなど結構日常茶飯事で起きます。建前では、その外国人労働者(C)を雇用している限りにおいて、B社(貴社)には住民税の特別徴収を行う義務が発生しているわけですから、徴収できない未払い税金が発生すればB社(貴社)にその責があると言われかねません(実際には追求されたケースはないみたいですが)。

私の会社で実際に起きたケースですが、その元社員(外国人)が退職してから数ヶ月後、市役所から、『住民税が徴収できないので、●●さんの居場所を教えてください』、『住民税が徴収できないので、●●さんの銀行預金口座を教えてください』と依頼がありました。それも一人ではなく、数人の外国人元社員のケースです。

【ケース3】
2013年10月A社(前社)入社
A社(前社)での雇用期間:2013年10月~2015年8月
2015年9月~2015年10月:就職活動
2015年11月、B社(貴社)入社
B社(貴社)での雇用期間:2015年11月~2016年3月
で2016年4月、外国人労働者(C)は本国に帰国。

この場合はどうなるでしょう。外国人労働者(C)がB社に入社するまでは【ケース2】と同じです。しかしその外国人労働者(C)は、2015年分の住民税の特別徴収税額決定通知書がB社(貴社)に届く前に、2016年3月、わずか5ヶ月でB社(貴社)を退職し、その翌月には本国に帰国してしまいました。この場合、2016年3月の最終の給与支払から、2014年分の未払い住民税を徴収することは可能です。しかしながら2015年分の特別徴収税額決定通知書が届く2016年5月より前の同年4月に外国人労働者(C)は帰国しています。本人が帰国してしまっているのに、2015年分の住民税はどうやって徴収するのでしょうか?

こうした際、外国人労働者(C)には一応、「日本に納税代理人を置いてから帰国しなさい。そして帰国後であってもその未払い住民税を支払うこと」が義務付けられます。しかし…。二度と戻ってくる気がない、たとえば東南アジアからの労働者が、日本に納税代理人を置いてそのあと律儀に税金を払うでしょうか?

私に悪知恵が働くなら、『帰国するなら4月がベスト』と教えたくなります。(駄目ですが…)

ちなみにあの中国には年末調整という仕組みは存在しないそうです。

毎月、毎月、所得税も住民税も、その月に支払われる給与で確定させるのでその必要がないとか……。

日本もそうした仕組みを取り入れれば、役人の数は減らすことはできるは、外国人からの住民税のとりっぱぐれはなくなるはで、いいこと尽くしです。

ちなみに、英会話の講師等の外国人が日本で数年働くと、「最初の一年は税金が安くて天国、でも帰国時にたっぷり出国税を取られた」と感じるみたいです。これも日本の印象を悪くしているのではないかなと懸念が残ります。

こうした根本的な仕組みの違い等は、話して聞かせたり、書面を渡しても理解してもらえないものです。その際、『外国語の動画で説明すると感覚的にスーと理解してもらえる』と評判の外国語動画作成サービスがあります。一度お試しでのご利用をお勧めいたします。

【まとめ】

  • 日本の住民税徴収の仕組みはとても複雑。
  • 外国人労働者の住民税徴収は、きちんとその仕組みを理解してもらった上でないとトラブルの基。

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